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エアコンのカビ対策。内部クリーンは予防であって、生えたカビは取れない

エアコンのカビ対策は、予防と汚れの対処を分けて考えます。

エアコンの説明書を確認してカビ対策を考えるイメージ

送風口の黒い点や臭いだけでは、カビや故障を確定できません。内部の汚れが気になるときは、販売店や専門業者へ相談します。

内部が濡れたままになることが原因です。
冷房や除湿では室内機の内部で結露が起きるため湿気がこもりやすいのです。

一度ついてしまったカビは、エアコンのお掃除機能では取り除けません。
この記事では、カビの予防方法と付いてしまった時の対処法を紹介します。

結論から言うと、取扱説明書に沿う乾燥は予防の一つです。内部の汚れは市販スプレーを使わず、販売店や専門業者へ相談します。

結論:予防と除去は別の作業

フィルター自動掃除と内部乾燥の役割を区別し、内部の汚れは販売店や専門業者へ相談する
洗浄機能を持つ機種もあります。対象部位と効果は取扱説明書で確認し、お手入れ不要とは考えないでください。

やることは2つに分かれます。これから増やさない(予防)と、いま生えているものを取る(除去)です。

予防は、型番の取扱説明書に沿って内部乾燥やフィルターの手入れを行います。

除去には分解が要ります。送風口から見えるファンの奥まで、運転では届きません。

ここで混乱しやすいのが、似た名前の機能です。対象部位と効果は機種ごとに異なります。

名前が似ていますが、別の機能です。洗浄機能を持つ機種もあるため、取扱説明書で範囲を確認します。

この2つを混ぜると失敗します。予防の機能で取ろうとして効かないか、除去のつもりで市販のスプレーを使って事故につながるかです。

なぜ生えるのか。冷房で内部が結露するから

冷房で内部に結露が生じ、乾燥機能で湿気を減らしてカビの発生を抑える
乾燥は予防の一つです。湿気だけでなく汚れや温度なども関係し、完全に防ぐ保証ではありません。

三菱電機は「冷房運転や除湿運転では、室内機内部で空気が冷やされ結露するため、湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい状態になっています」と説明しています。

冷房は空気を冷やして水分を取る運転です。結露水はドレンへ流れますが、表面には湿気が残ることがあります。

もう一つ必要なのが栄養です。パナソニックは、フィルターで取り切れなかった細かい汚れが室内機の内部に届き、カビの原因になるとしています。

つまり「買ったばかりだから大丈夫」は成り立ちません。 決めるのは年数ではなく、濡れたまま止めているかどうかです。

内部クリーンは予防であって、除去ではない

内部クリーンは、フィルターのお掃除機能とは別の機能です。運転のあとに内部を乾かします。

ここが最大の分かれ目です。

三菱電機は内部クリーンを「エアコン内部を乾かし、カビの発生を抑制して清潔に保つためのもの」と説明しています。

そのうえで、「すでに発生しているカビを取り除くことはできません」と明記しています。

「内部クリーンを回しているのにカビが生えた」は、機能が壊れているのではありません。そもそも取る機能ではないからです。

生えてしまったものは、乾かしても消えません。予防に使う機能だと理解して使います。

購入時は設定されていない機種がある

内部クリーンは、設定して初めて動きます。

三菱電機は、一度設定すると解除するまで運転停止時に毎回自動で行うとしています。裏を返せば、設定していない機種では働きません。

パナソニックは、冷房や除湿を30分以上運転して停止したときに内部クリーンが働くとしています。短時間の運転では動かないことになります。

カビが気になるなら、まずリモコンで設定を確認します。 予防はここから始まります。

つけっぱなしだと内部クリーンは動かない

設定していても動かないことがあります。24時間つけっぱなしの運転です。

内部クリーンは、運転を停止したときに働く機能です。止めなければ、一度も動きません。

パナソニックは、自動設定にしていても「長時間連続で運転しているとき」は内部クリーン運転を行わないと明記しています。

冷房を回し続けている間、内部は濡れたままです。乾く時間がありません。

対処は、1日に1回だけ冷房を止めて、送風に切り替えることです。 1〜2時間ほど回せば内部が乾きます。

つけっぱなしをやめる必要はありません。乾かす時間を1日1回だけ作れば足ります。

内部クリーンの短所。室温が約2〜3℃上がる

内部クリーンには短所もあります。正直に書きます。

三菱電機によると、内部クリーンは最大10分間の弱い暖房運転を行い、その間「お部屋の温度が約2〜3℃上昇したり、お部屋の湿度があがることもあります」。

パナソニックも、内部クリーンは「送風→暖房→送風」の順に運転し、室温が上がることがあると案内しています。室温が低く湿度が高いときは、壁や窓に結露が発生する場合もあります。

「エアコンを消したら蒸してきた」の正体はこれです。→ エアコンの除湿と冷房どっち?

回避の方法は、切ることではありません。パナソニックは、人がいない時間帯に運転するよう設定を変えられるとしています。時間をずらせば、乾燥はそのまま続けられます。

乾かし方は型番の取扱説明書で確認する

内部クリーンの工程・時間・停止条件は、メーカー名だけでなく機種ごとに異なります。

手元の型番の取扱説明書を確認し、指定された設定と運転条件に従ってください。

フィルター掃除の頻度はメーカーで違う

もう一つの予防がフィルター掃除です。ここで注意したいのが、推奨頻度がメーカーで違うことです。

どちらが正しいという話ではありません。機種と使い方で変わるので、手元の取扱説明書の数字に合わせます。

フィルターの状態によって運転効率は変わりますが、電気代への影響は機種・使用条件で異なります。

カビ対策としても効きます。フィルターを抜けた汚れが内部に届く前に止められるからです。

自動お掃除機能が付いている機種は、おそうじランプが点灯したときに確認します。

市販の洗浄スプレーはメーカーが止めている

説明書にあるフィルターなどの手入れは自分で行い、内部の洗浄は専門業者へ相談する
内部に洗浄液が残ったり電気部品に付着したりすると、故障・発火につながるおそれがあります。

ファンのカビを見つけると、洗浄スプレーを買ってきたくなります。ここは止めてください。

ダイキンは、自分でできるお手入れをフィルター類と外から見える部分が中心だとしたうえで、「洗浄スプレーやリンス剤の使用はお控えください」と案内しています。

理由として挙げられているのは次の5つです。

1つ目に注目してください。カビを取るつもりの作業が、カビの原因になります。 流しきれなかった洗剤が内部に残るためです。

そして送風口から見えるファンは、スプレーの届く場所ではありません。届かないまま洗剤だけが残ります。

水漏れが起きる筋道。汚れがドレンに残って詰まる

5つのうち「水漏れ」は、起きる筋道がはっきりしています。

エアコンは冷房で出た水をドレンパンという受け皿にため、ドレンホースで屋外へ流します。

ダイキンによると、洗浄スプレーで流し切れなかった汚れやほこりは、このドレンパンやドレンホースの中に残ります。それが詰まりの原因になります。

排水が詰まれば、受け皿の水はあふれます。掃除した直後から水が垂れ始めるのは、これが理由です。

残るのは汚れだけではありません。薬剤がドレンパンに残ると、ひび割れて水漏れする恐れもあります(ダイキン)。

日立も同じ注意を出しています。洗浄スプレーで親水性コーティングが剥がれ、排水経路の詰まりや水漏れにつながる可能性があるためです。

カビを取るつもりの作業で、排水の通り道をふさぐことになります。

すでに水が垂れている場合の確認手順はエアコンは修理と買い替えどっち?にまとめています。屋外のホースの先を見るところから始めます。

公的機関の公表では5年で20件の事故

危険は理屈の話ではありません。実際に事故が起きています。

製品評価技術基盤機構(NITE)は2020年、エアコンの内部洗浄による事故が2019年度までの5年間で20件発生したと公表しました。

事故の例として挙げられているのは次のような内容です。

エアコンを洗浄した際、エアコンの内部配線端子部分に洗浄液が付着したため、端子部でトラッキング現象が発生し、異常発熱が生じて出火する事故が発生した。

NITEの呼びかけは3つです。

「アルコールなら安全そう」も名指しで止められています。 家にある消毒用アルコールは可燃性で、内部の掃除には向きません。

生えたカビは業者に頼む。料金の目安

分解して洗える業者に頼みます。料金の目安は次のとおりです。

(くらしのマーケットの料金相場より。地域と業者で幅があります)

お掃除機能付きが高いのは、フィルター清掃のユニットを外さないと熱交換器まで届かないためです。分解の手間がそのまま料金に乗ります。

くらしのマーケット公式はこちら

お掃除機能の対象部位は型番で確認する

フィルター自動掃除、内部乾燥、熱交換器の洗浄などは、対象部位と役割が異なります。

「お掃除機能付き」だけで判断せず、取扱説明書で対象部位と必要な手入れを確認してください。

グレードで何が変わるかはエアコンのグレードの違いにまとめています。

カビを理由に買い替える前に

「もう買い替えたほうが早いのでは」と考える前に、金額を並べます。

業者のクリーニングは8,000〜15,000円。買い替えは本体価格と工事費の合計です。掃除で済むなら、掃除のほうが安く付きます。

年数が進んでいる場合も、補修部品の保有状況と故障内容を確認してから判断します。

判断の基準はエアコンは修理と買い替えどっち?にまとめています。

洗っても風量が戻らない、ニオイが残るという場合は、業者に見てもらってから決めます。

結論:予防は自分で、除去は業者に

要点をまとめます。

予防は今日から始められて、費用もかかりません。冷房のあとに内部を乾かす。それだけで、来年ファンをのぞいたときの景色が変わります。

次に確かめるのは、リモコンの内部クリーンの設定です。

関連ガイド

トップページでは型番からの検索もできます。