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10年前の家電、買い替えるべきはどれ?炊飯器と電子レンジが変わらない理由

買い替えで下がるのはエアコン・冷蔵庫・テレビ、ほとんど変わらないのは炊飯器・電子レンジ 買い替えと電気代 ◎ 電気代が下がる エアコン・冷蔵庫・テレビ 省エネ基準が今も更新中 △ ほとんど変わらない 炊飯器・電子レンジ 基準が2008年度で停止
買い替えで電気代が下がるかは、その機器の省エネ基準が今も更新されているかで分かれます。

エアコン、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ。家じゅうの家電が同じころに古くなり、どれから替えるか決められません。

調べても「買い替えるとお得」しか出てこず、全部を替える予算はありません。

ここで押さえたいのは、買い替えで電気代が下がる家電と、ほとんど変わらない家電があることです。年式や見た目では区別できません。

見分ける手がかりは、省エネ法のトップランナー制度にあります。

資源エネルギー庁の資料で、機器ごとの「目標年度」を1品目ずつ確認しました。

判定は「その機器の省エネ基準が、今も更新されているか」で付きます。電気代が下がる順に予算を使えて、替えなくていいものが分かります。

エアコン・冷蔵庫・テレビは電気代が下がります。炊飯器と電子レンジは、買い替えてもほとんど変わりません。

結論:買い替えで電気代が下がる家電と、ほとんど変わらない家電がある

買い替えで電気代がはっきり下がるのは、エアコン・冷蔵庫・テレビです。

この3つは、国が定める省エネ基準の目標年度が今も更新されています。メーカーは新しい基準に合わせて省エネを進める必要があります。

エアコンの目標年度は2027年度、テレビは2026年度、冷蔵庫は2021年度です。

一方、炊飯器と電子レンジの目標年度は2008年度のまま、18年間更新されていません。

洗濯機はそもそもトップランナー制度の対象になっていません。

つまり「古い家電はどれも買い替えるとお得」ではありません。制度が動いている機器と、止まっている機器があります。

見分け方は「省エネ基準がいつ更新されたか」

目標年度が更新中なら改善義務があり買い替えで下がる、2008年度で停止なら変わらない 省エネ基準の目標年度 目標年度が今も更新中 メーカーに改善義務がある ◎ 買い替えで下がる 目標年度が2008年度で停止 改善義務が発生しない △ 買い替えても変わらない
目標年度が更新されている機器にはメーカーの改善義務があります。止まった機器には発生しません。

省エネ法のトップランナー制度では、国が機器ごとに省エネの目標基準値と目標年度を決めています。

メーカーは目標年度以降、出荷台数で加重平均したエネルギー消費効率が基準値を超えないようにする義務を負います。

この目標年度が、機器ごとにばらばらです。ここが判定の手がかりになります。

目標年度が新しい家電は、メーカーに改善義務がある

目標年度が近年に設定されている機器は、メーカーが省エネを進めなければ基準を満たせません。

テレビの2026年度目標は、2018年比で32.4%の改善を求めるものです。冷蔵庫の2010年度目標は、2005年度比で43.0%でした。

数年おきに新しい目標が課され、そのたびに製品の消費電力量が下がってきました。

だから10年前の機種と今の機種では、実際に差が出ます。

目標年度が古い家電は、改善しなくても違反にならない

反対に、目標年度が過ぎたまま更新されていない機器は、追加の改善を求められていません。

炊飯器の目標年度は2008年度、電子レンジも2008年度です。どちらも18年間そのままです。

「基準が止まった=性能が一切上がらない」という意味ではありません。

ただし改善の幅は、電気代に表れるほど大きくありません。炊飯器の実データで後述します。

機器別の目標年度一覧。冷蔵庫は2021年度、炊飯器は2008年度

資源エネルギー庁の各機器ページで確認した、最新の目標年度です。

機器 最新の目標年度 経過 基準の更新
エアコン 2027年度 これから ◎ 更新中
テレビ 2026年度 今年度 ◎ 更新中
冷蔵庫 2021年度 5年前 ◎ 更新中
プリンター 2017年度 9年前 △ 更新なし
電気便座 2012年度 14年前 △ 更新なし
炊飯器 2008年度 18年前 △ 更新なし
電子レンジ 2008年度 18年前 △ 更新なし
洗濯機 制度の対象外 △ 対象外

(出典=資源エネルギー庁「エネルギー消費機器製造事業者等の省エネ法規制」各機器ページ・2026年8月時点。エアコンは壁掛け以外が2029年度。「基準の更新」は直近5年以内に目標年度があるものを◎としています。)

◎の3つと、それ以外で買い替えの意味がまるで違います。順に見ていきます。

買い替えで電気代が下がるのはエアコン・冷蔵庫・テレビ

この3機器は、基準の更新が続いているうえに使用時間も長く、買い替えの効果が金額に出ます。

エアコンの目標年度は2027年度で、これから基準が引き上げられます。

資源エネルギー庁の現行ページでは、今どきの機種は10年前より約13%省エネとされています。

古い機種からの買い替えなら、差はさらに大きくなります。資源エネルギー庁は2010年度基準の機種からの買い替えをこう試算しています。

エアコンの買い替えには取り付け工事がついてきます。工事だけを地域の業者に相見積もりで頼むと、総額を抑えやすくなります。

取り付け工事費しだいで、エアコンの総額は変わります。くらしのマーケットのエアコン取付料金一覧で、お住まいの地域の安い取付業者を簡単に探せます。

冷蔵庫は24時間動き続けるので、効率の差がそのまま年間の電気代に出ます。

2010年度目標では2005年度比43.0%という大きな改善が課されました。最新の目標年度は2021年度です。

テレビの目標年度は2026年度で、2018年比32.4%の改善が課されています。この3つのなかで、直近の改善率が最も大きい機器です。

「古い家電は劣化でさらに電気代が上がるのでは」と思うかもしれません。

パッキンのゆるみなどの影響はあります。ただし、どれだけ上がるかを示した公的なデータはありません。

そのためこの記事では、劣化ぶんを上乗せしていません。ここに書いた数字は、劣化を含まない下限です。

なお、エアコンは型落ちを選んでも電気代はほとんど変わりません。→ 型落ちエアコンの電気代

買い替えても変わらないのは炊飯器・電子レンジ・洗濯機

この3機器は、買い替えても電気代の下がりしろがほとんどありません。

制度の側に、メーカーへ改善を求める仕組みが動いていないからです。

炊飯器は2008年度から基準が止まっている

炊飯器の目標年度は2008年度で、18年間更新されていません。

2008年度目標の中身は2003年度比16.7%の改善でした。それ以降、新しい目標は課されていません。

電子レンジも同じ2008年度で、2004年度比10.5%の改善が最後です。

制度だけでなく、実際の数値も動いていません。IH炊飯器(5.5合以上8合未満)の年間消費電力量の推移です。

(出典=資源エネルギー庁「省エネルギーカタログ2023年版」/価格.com調べ)

12年で下がったのは約7kWhです。31円/kWhで計算すると、年約220円の差にしかなりません。

つまり10年以上前の炊飯器を最新に替えても、下がる電気代は年200円ほどです。

炊飯器の電気代を下げるなら、買い替えより保温を見直す

炊飯器のエネルギー消費効率は、炊飯だけで測っていません。

資源エネルギー庁の定義では、炊飯時・保温時・タイマー予約時・待機時の消費電力量を測ります。

それぞれに使用実態係数を掛けて足し合わせた年間消費電力量が、炊飯器の効率の指標です。

つまり保温の電力も、炊飯器の年間消費電力量に含まれています。

その保温は、1時間あたり約16.5Whを使います(価格.comの試算・IH炊飯器)。31円/kWhなら1時間0.5円です。

10時間保温すれば、1日あたり約5円になります。

長時間の保温が習慣になっているなら、買い替えよりこちらを見直すほうが金額は大きくなります。

食べる分だけ炊いて、残りは冷凍する。炊飯器の電気代は、この使い方で下がります。

洗濯機はそもそも制度の対象外

洗濯機は、トップランナー制度の特定機器に指定されていません。

そのため目標年度も、公的な省エネ改善率も存在しません。

「何%省エネになるか」を数字で示せない機器です。この記事では推測の数字を置きません。

買い替えるなら、電気代ではなく乾燥機能や洗濯容量など、使い勝手で選ぶことになります。

「10年前と比べて◯%」は、比べる年代で3倍変わる

冷蔵庫の10年前比の省エネ率は、環境省で約37〜43%、資源エネルギー庁で約15〜24% 冷蔵庫の省エネ率(10年前比) 環境省 約37〜43% 資源エネルギー庁 約15〜24% 比べる年代で3倍近く変わる
同じ「10年前比」でも、環境省は2020年と2010年の比較、資源エネルギー庁は現行機種との比較です。

冷蔵庫の省エネ率は、出典によって約37〜43%とも、約15〜24%とも書かれています。

環境省が2021年に公開した資料では、2020年の機種は2010年比で約37〜43%の省エネです。

一方、資源エネルギー庁の現行ページでは、今どきの機種は10年前比で約15〜24%とされています。

同じ「10年前比」で3倍近い開きがあります。どちらも公的機関の数字で、どちらも間違いではありません。

比べている年代が違うためです。2010年代前半の改善ペースが速く、その後は鈍っています。

だから買い替えを検討するときは、数字だけでなく出典の年を確認してください。

古い資料の改善率を今に当てはめると、期待しすぎになります。

冷蔵庫は2015年に測定基準が変わっている

冷蔵庫には、もう1つ注意点があります。消費電力量の測り方そのものが変わりました。

2015年2月に新しい国際規格が発行され、同年6月にJIS(C 9801-1〜3)が改正されました。

省エネ法と家庭用品品質表示法の改正は2016年3月です。

新しい測り方では、年間消費電力量は大きく出る傾向になりました(日本電機工業会)。定格内容積は逆に小さく出ます。

つまり古い機種のカタログ値のほうが、実態より小さい数字で載っています。

手元の古い冷蔵庫と最新機種のカタログ値を引き算すると、省エネ効果が実際より小さく見えます。

「新しいほうが電気を食う」という結果になることもあります。

カタログ値をそのまま比べられるのは、2016年以降の機種どうしです。

結論:買い替えるなら、エアコンと冷蔵庫から

買い替えの優先順位:1エアコン、2冷蔵庫、3テレビ、後回しは炊飯器・電子レンジ 買い替えの優先順位 1 エアコン 使う時間が長い・基準は2027年度 2 冷蔵庫 24時間動く・基準は2021年度 3 テレビ 基準は2026年度に更新中 後回し 炊飯器・電子レンジ 基準が2008年度で止まっている
使う時間の長さと、省エネ基準が更新中かどうか。この2つをかけ合わせた順番です。

限られた予算をどこから使うか。要点をまとめます。

順番は、使う時間の長さと基準の更新状況で決まります。まずエアコン、次に冷蔵庫です。

替えなくていいものが分かると、その予算をエアコンのグレードに回せます。同じ支出でも、下がる電気代の額が変わります。

エアコンは2027年4月に省エネ基準が引き上げられます。買い時への影響はエアコン2027年問題で解説しています。

世代ごとの省エネ性能と価格は、各シリーズページで確認できます。→ エアコンの型落ち・歴代モデル一覧

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