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10年前の家電、どれから買い替える?状態・使い方・電気代で判断

家じゅうの家電が古くなっても、省エネ基準の目標年度だけで買い替え順位は決まりません。

複数の家電から買い替える優先順位を考えるイメージ

調べても「買い替えるとお得」しか出てこず、全部を替える予算はありません。

買い替えは、故障や異常、生活上の困りごと、節約目的の順に確認します。

買い替えの優先順位は、状態と使い方から

故障や異常、生活上の困りごと、節約目的の順に確認して買い替えの優先順位を考える
節約額だけでなく、修理できるか、暮らしに必要か、予算に収まるかを合わせて判断します。

故障や異常があれば、節電額の大小より先に使用を止め、点検・修理を相談します。

生活で困っている場合は、必要な機能・容量と購入設置処分の総額を確認します。

節約が目的なら、現在の型番・候補型番・使用状況から年間費用差を試算します。

省エネ基準の目標年度は参考情報として使う

省エネ法のトップランナー制度では、国が機器ごとに省エネの目標基準値と目標年度を決めています。

メーカーは目標年度以降、出荷台数で加重平均したエネルギー消費効率が基準値を超えないようにする義務を負います。

この目標年度が、機器ごとにばらばらです。ここが判定の手がかりになります。

目標年度が新しい家電は、メーカーに改善義務がある

目標年度が近年に設定されている機器は、メーカーが省エネを進めなければ基準を満たせません。

テレビの2026年度目標は、2018年比で32.4%の改善を求めるものです。冷蔵庫の2010年度目標は、2005年度比で43.0%でした。

数年おきに新しい目標が課され、そのたびに製品の消費電力量が下がってきました。

だから10年前の機種と今の機種では、実際に差が出ます。

目標年度が古い家電は、改善しなくても違反にならない

反対に、目標年度が過ぎたまま更新されていない機器は、追加の改善を求められていません。

炊飯器の目標年度は2008年度、電子レンジも2008年度です。どちらも18年間そのままです。

「基準が止まった=性能が一切上がらない」という意味ではありません。

ただし改善の幅は、電気代に表れるほど大きくありません。炊飯器の実データで後述します。

機器別の目標年度一覧。冷蔵庫は2021年度、炊飯器は2008年度

資源エネルギー庁の各機器ページで確認した、最新の目標年度です。

機器 最新の目標年度 経過 基準の更新
エアコン 2027年度 これから ◎ 更新中
テレビ 2026年度 今年度 ◎ 更新中
冷蔵庫 2021年度 5年前 ◎ 更新中
プリンター 2017年度 9年前 △ 更新なし
電気便座 2012年度 14年前 △ 更新なし
炊飯器 2008年度 18年前 △ 更新なし
電子レンジ 2008年度 18年前 △ 更新なし
洗濯機 制度の対象外 — △ 対象外

(出典=資源エネルギー庁「エネルギー消費機器製造事業者等の省エネ法規制」各機器ページ・2026年8月時点。エアコンは壁掛け以外が2029年度。「基準の更新」は直近5年以内に目標年度があるものを◎としています。)

◎の3つと、それ以外で買い替えの意味がまるで違います。順に見ていきます。

使用時間が長い家電は、電気代の試算候補になる

エアコン・冷蔵庫・テレビは使用時間が長く、電気代の試算候補になりやすい家電です。

エアコンの目標年度は2027年度で、これから基準が引き上げられます。

資源エネルギー庁の現行ページでは、今どきの機種は10年前より約13%省エネとされています。

古い機種からの買い替えなら、差はさらに大きくなります。資源エネルギー庁は2010年度基準の機種からの買い替えをこう試算しています。

エアコンの買い替えには取り付け工事がついてきます。工事だけを地域の業者に相見積もりで頼むと、総額を抑えやすくなります。

取り付け工事費しだいで、エアコンの総額は変わります。くらしのマーケットのエアコン取付料金一覧で、お住まいの地域の安い取付業者を簡単に探せます。

冷蔵庫は24時間動き続けるので、効率の差がそのまま年間の電気代に出ます。

2010年度目標では2005年度比43.0%という大きな改善が課されました。最新の目標年度は2021年度です。

テレビの目標年度は2026年度で、2018年比32.4%の改善が課されています。この3つのなかで、直近の改善率が最も大きい機器です。

「古い家電は劣化でさらに電気代が上がるのでは」と思うかもしれません。

パッキンのゆるみなどの影響はあります。ただし、どれだけ上がるかを示した公的なデータはありません。

そのためこの記事では、劣化ぶんを推測で上乗せしません。

なお、エアコンは型落ちを選んでも電気代はほとんど変わりません。→ 型落ちエアコンの電気代

炊飯器・電子レンジ・洗濯機も候補型番で比べる

目標年度の更新がないことや制度対象外であることは、製品間の効率差がないという意味ではありません。

炊飯器は2008年度から基準が止まっている

炊飯器の目標年度は2008年度で、18年間更新されていません。

2008年度目標の中身は2003年度比16.7%の改善でした。それ以降、新しい目標は課されていません。

電子レンジも同じ2008年度で、2004年度比10.5%の改善が最後です。

制度だけでなく、実際の数値も動いていません。IH炊飯器(5.5合以上8合未満)の年間消費電力量の推移です。

(出典=資源エネルギー庁「省エネルギーカタログ2023年版」/価格.com調べ)

12年で下がったのは約7kWhです。31円/kWhで計算すると、年約220円の差にしかなりません。

この市場平均の差を、手元のすべての古い炊飯器へ当てはめることはできません。候補型番と使い方で確認します。

炊飯器の電気代を下げるなら、買い替えより保温を見直す

炊飯器のエネルギー消費効率は、炊飯だけで測っていません。

資源エネルギー庁の定義では、炊飯時・保温時・タイマー予約時・待機時の消費電力量を測ります。

それぞれに使用実態係数を掛けて足し合わせた年間消費電力量が、炊飯器の効率の指標です。

つまり保温の電力も、炊飯器の年間消費電力量に含まれています。

その保温は、1時間あたり約16.5Whを使います(価格.comの試算・IH炊飯器)。31円/kWhなら1時間0.5円です。

10時間保温すれば、1日あたり約5円になります。

長時間の保温が習慣になっているなら、買い替えよりこちらを見直すほうが金額は大きくなります。

保温を見直す場合も、冷凍と再加熱に使う電力を含めて、自分の使い方で比べます。

洗濯機はそもそも制度の対象外

洗濯機は、トップランナー制度の特定機器に指定されていません。

そのため目標年度も、公的な省エネ改善率も存在しません。

制度対象外でも、候補機種の洗濯・乾燥消費量は比較できます。乾燥方式・容量・使用回数をそろえて確認します。

「10年前と比べて◯%」は、比べる年代で3倍変わる

容量と機能、消費電力量の測定方法、使用時間や回数をそろえて電気代を比較する
古い機種は測定基準が異なる場合があります。公式の比較案内や対応する買い替え比較サービスを使います。

冷蔵庫の省エネ率は、出典によって約37〜43%とも、約15〜24%とも書かれています。

環境省が2021年に公開した資料では、2020年の機種は2010年比で約37〜43%の省エネです。

一方、資源エネルギー庁の現行ページでは、今どきの機種は10年前比で約15〜24%とされています。

同じ「10年前比」で3倍近い開きがあります。どちらも公的機関の数字で、どちらも間違いではありません。

比べている年代が違うためです。2010年代前半の改善ペースが速く、その後は鈍っています。

だから買い替えを検討するときは、数字だけでなく出典の年を確認してください。

古い資料の改善率を今に当てはめると、期待しすぎになります。

冷蔵庫は2015年に測定基準が変わっている

冷蔵庫には、もう1つ注意点があります。消費電力量の測り方そのものが変わりました。

2015年2月に新しい国際規格が発行され、同年6月にJIS(C 9801-1〜3)が改正されました。

省エネ法と家庭用品品質表示法の改正は2016年3月です。

新しい測り方では、年間消費電力量は大きく出る傾向になりました(日本電機工業会)。定格内容積は逆に小さく出ます。

つまり古い機種のカタログ値のほうが、実態より小さい数字で載っています。

手元の古い冷蔵庫と最新機種のカタログ値を引き算すると、省エネ効果が実際より小さく見えます。

「新しいほうが電気を食う」という結果になることもあります。

年式だけで線を引かず、双方の表示に使われた測定規格を確認します。

結論:状態・必要性・総額で優先順位を決める

限られた予算をどこから使うか。要点をまとめます。

順番は家庭ごとの状態・必要性・使用条件・予算で変わります。家電種別の固定順位では決まりません。

替えなくていいものが分かると、その予算をエアコンのグレードに回せます。同じ支出でも、下がる電気代の額が変わります。

エアコンは2027年4月に省エネ基準が引き上げられます。買い時への影響はエアコン2027年問題で解説しています。

世代ごとの省エネ性能と価格は、各シリーズページで確認できます。→ エアコンの型落ち・歴代モデル一覧

関連ガイド

トップページでは型番からの検索もできます。